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第2段階 項目7 車に働く自然の力と運転

1車が動き続けようとする力と停止しようとする力
■運動をしている物体は、外から力を加えない限りそのまま運動を続けようとします。これを「慣性の法則といいます。

■停止距離とは、運転者が危険を感じてからブレーキをかけ、ブレーキが効き始めるまでに車が走る距離(空走距離)とブレーキが効き始めてから車が停止するまでの距離(制動距離)とを合わせた距離(停止距離)を必要とします。

■空走距離が長くなる要因は、運転者が疲れているとき、病気や年齢などが原因で長くなります。

■制動距離が長くなる要因は、路面が雨で濡れているとき、タイヤがすり減っているなどが原因で制動距離が長くなります。

※ 効果的な制動方法

十分手前でブレーキを軽く踏みブレーキランプを2~3回点滅させ後方の車に合図を送り、徐々に強くして停止位置に合わせて停止する。急ブレーキを踏むときはハンドルをまっすぐにし、タイヤをロックさせないでブレーキをかけます。

       
速 度 空走距離 制動距離 停止距離
 20㎞/h  6 メートル  3メートル  9メートル
 30㎞/h  8 メートル  6メートル  14メートル
 40㎞/h  11メートル   11メートル   22メートル
 50㎞/h  14メートル  18メートル  32メートル
 60㎞/h   17メートル   27メートル  44メートル


2荷物の積み方等と車の安定性

◆荷物の積み方によって安定性が変化します。
◆重心が高いほど車は不安定になります。
◆凸凹路では積み荷の点検をしましょう。

3カーブ、坂道での運転

■遠心力は、速度の2乗に比例(速度が2倍になれば4倍、3倍になれば9倍になる)して大きくなり、カーブの半径が小さいほど遠心力は大きくなります。

■登り坂では、車の重量と勾配抵抗がかかり、大きな力が必要になります。下り坂では、勾配による加速がつくので速度を抑える力が必要になります。

■下り坂では、エンジンブレーキを使い、必要に応じてフットブレーキを使います。フットブレーキを使いすぎると、フェード現象やベーパーロック現象を起こしブレーキが効かなくなります。

・フェード現象とは、ブレーキパッド、ディスクが加熱してブレーキの効きが悪くなることを言います
・ベーパーロック現象とは、ブレーキパッド、ディスクなどが加熱し、その熱がブレーキ液に伝わりブレーキ液内に気泡が発生し、ブレーキが効かなくなることをいいます。

■坂道では、発進がむずかしいので下りの車が上りの車に道をゆずります。上りの車でも近くに待避所があれば、その場所に入って道をゆずります。片側が転落のおそれのある谷になっている狭い道では、上り下りに関係なく谷川を通る車があらかじめ安全な場所に停止して道をゆずりましょう。

4二輪車の特性、乗車姿勢と走行の仕方

■二輪車は、体で安定性を保ちながら走り、停止すれば安定性を失うという構造上の特性を持っているため、四輪車とは違った運転技術をひつようとしています。また、二輪車の動きが四輪者からは見えないことがあるので、まわりの交通の動きについていっそうの注意が必要となります。手軽な乗り物であると気を許さないで、常に慎重に運転しましょう。

■車種の選定は、体格にあった車種を選びましょう。いきなり大型車に乗るのは危険なので、最初は小型車から始め、熟練度に応じて大型の車種に乗るようにしましょう。

★車種の選定に当たっては 
・平地でセンタースタンドを立てることが楽にできること。
・二輪車にまたがったとき、両足のつま先が、地面に届くこと。
・8の字型に押して歩くことが完全に出来ること。

■大型自動二輪車や普通自動二輪車の二人乗りをする場合には、後部座席にゆとりがある車種を選ぶようにしましょう。

■乗車用ヘルメットをかぶらないで大型二輪、普通二輪、原付車を運転してはいけません。また乗車用ヘルメットをかぶらない者を乗せて運転してはいけません。乗車用ヘルメットは、PS(c)マークかJISマークのついたものを使い、あごひもを確実に締め正しく着用しましょう。

■服装は、体の露出がなるべく少なくなるような服装をしましょう。ほかの運転者から見て、よく目に付きやすいものを着用し、夜間は、反射性衣服または反射材が付いた乗車用ヘルメットを着用しましょう。


二人乗りの禁止
◆大型自動二輪車および普通自動二輪車二人乗り通行禁止
・大型自動二輪車や普通自動二輪車で後部座席がないものや原動機付自転車を運転するとき。
・大型自動二輪車や普通自動二輪車の免許を取得して1年を経過していない場合は、二人乗りはできません。
・大型二輪免許を取得した人で、20歳未満の者、または大型二輪免許を受けていた期間が3年未満の人が、高速道路を運転する時。
※普通二輪免許を受けていた期間が3年を経過している場合は二人乗りができます。
・普通二輪免許を取得した人で、20歳未満の者、または普通二輪免許を受けていた期間が3年未満の人が、高速道路を運転する時。
・標識により大型自動二輪車や普通自動二輪車の二人乗りの通行禁止がされている道路を通行するとき。

■二人乗りをするときの心得として、大型自動二輪車や普通自動二輪車の二人乗りは、一人乗りと比べて運転特性に違いがあるので二人乗りが禁止されていない場合であっても、二人乗りは一人乗りに習熟してからにし、二人乗りに関する講習を受講するようにしましょう。

■二輪車の運転姿勢は、
①ステップに土踏まずをのせて、足の裏が地面に水平になるようにし、足先がまっすぐ前方に向くようにしタンクを両膝でしめます。(ニーグリップといいます)
②手首を下げて、 ハンドルを前に押すような気持ちでグリップを軽く持ちます。
③肩の力を抜き、肘を軽く曲げ、背筋を伸ばし、視線は前方に向けます。
※二輪車の選び方は、「教程1」を参考にして下さい。

■二輪車は機動性に富んでいますが、車の間をぬって走ったり、ジグザグ運転、無理な追い越しや割り込みをしない。車間距離や側方間隔を十分に保ちましょう。前の車のドアが急に開いたり、歩行者が車の間から飛び出したりすることがあるので注意しましょう。また、げたやサンダルなど運転の妨げになるものをはいて運転してはいけません。

■カーブ走行のしかたは、カーブの手前で十分速度を落とし、カーブの右側部分は乱さないように注意しましょう。カーブを曲がるときは、ハンドルを切らないで車体を傾ける(バンクする)ようにして自然に曲がるカーブの途中では、スルットル(アクセル)で速度の加減をしましょう。クラッチは切らないで常に車輪にエンジンの力をかけておき、カーブの後半で前方の安全を確かめてから加速するようにしましょう。

■ブレーキのかけ方には
(1)ブレーキレバーを使う前輪ブレーキ
(2)ブレーキペダルまたはブレーキレバーを使う後輪ブレーキ
(3)スロットル(アクセル)の戻しまたはシフトダウン(低速ギアに入れること)によるエンジンブレーキ

■ブレーキをかけるときの注意は

①ブレーキをかける時は、車体を垂直に保ちハンドルを切らない状態で、エンジンブレーキをきかせながら前後輪のブレーキを同時にかける。乗車姿勢を正しく保たないと前のめりになります。

②乾燥した路面でブレーキをかける時は、前輪ブレーキをやや強く、路面が滑りやすい時は、後輪ブレーキをやや強めにかけます。

③エンジンブレーキは、低速ギアほど制動力が大きく、いきなり高速ギアからローに入れるとエンジンをいためたり、転倒したりするおそれがあります。

④急ブレーキをかけると、車輪の回転が止まり、横滑りを起こす原因になるので、ブレーキは数回に分けて使いましょう。

■オートマチック二輪車の運転
オートマチック二輪車は、マニュアル二輪車と運転の方法が異なるところがあり、それを知らないと思い掛けない事故を起こすことがあります。オートマチック二輪車の運転は、クラッチ操作がいらないので、その分操作の負担が軽減され、運転が楽になります。

■オートマチック二輪車の車両特性
・MT二輪車と比べホイールベースがやく10センチから15センチ長いため、小回りが難しい。
・スクーター型車両は、ニーグリップができないため微妙な車体バランスの維持が難しく、安定した運転姿勢が維持しにくい。
・エンジンブレーキの効きが弱いので、下り坂等ではオーバースペードが原因で事故になる可能性がある。
・クラッチ操作がないため、急激なアクセル操作による急発進の危険性がある。
・エンジンの回転数が低い時には、車輪に動力が伝わりにくいので、加速のためにアクセル操作をしたときに僅かなタイムラグが発生します。このため低速走行中にアクセルを完全に戻すとバランスを崩すことがあります。
・オートマチック二輪車の駆動方法として自動遠心力による無断変速装置のため、エンジン低回転の動力伝達能力が低いこと。無断変速装置が採用されている場合、エンジンの回転数が低い時には、車輪にエンジンの力が伝わりにくい特性があります

5速度と衝撃力

■60キロメートルでコンクリートの壁に衝突した場合は、約14メートルの高さ(ビルの5階程度)から落ちた場合と同じ程度の衝撃力を受けます。

6交通公害の防止等

■排出ガスの中には、一酸化炭素(CO)・炭化水素(HC)・窒素酸化物(NOX)など有害物質が含まれており、大気汚染の原因となります。排気ガスの色は、無色、淡青色が正常であり、白色または黒色は異常です。
 
■速度制限や積載制限など守るとともに、急発進、急加速、空ぶかし、急ブレ-キや不必要なアイドリングはやめましょう。

■速度が速すぎても遅すぎても燃料消費量は多くなります。